7月27日 リサイタルをします
FacebookやTwitterで以前より告知させていただいていましたが、7月27日に代官山教会Church Hallにてリサイタルを行います。
リサイタルまであと一週間を切りましたが、とても有難いことに満席となりました。直前のご案内となってしまうとは思いますが、まだキャンセル待ちはお受けいたします!
ヴィオラの中村さんはアメリカ生まれ・育ちなのですが、このコンサートのために数日前から我が家にホームステイしていて、毎日ヒンデミットのリハーサルを進めています。コンセプトも音楽的にもなかなか一筋縄ではいかない曲なので、音が合う・合わない以前に、お互いの持つ曲/各セクションへの解釈をすり合わせておくことも大事で、「ここはどう考えてる?」と相談しながら少しずつやっています。
もう少しでシューマンの合わせも始まります。日本で勉強中の二人と、アメリカで勉強中の二人で弾いたとき、どんな化学反応が起こるかとても楽しみです。
最後に日本でリサイタルを行ったのは2019年の留学前で、今回4年ぶりのリサイタルになります。学士課程4年を終えて、修士課程入学前に、一度日本の皆様に勉強報告(?笑)の意味合いも込めて聴いていただけたらなと思ったのが始まりでした。
このリサイタルを企画するにあたって、全てソロのプログラムにするという選択肢もあったのですが、アメリカ二年目からずっと室内楽を勉強してきたということを活かせるプログラムにしたかったのと、久しぶりに日本の同級生と弾いたらどんな感じがするんだろうという興味もあり、いちばん最後にシューマンのピアノカルテットを置くことにしました。
さらに、普段クラシックをたくさん聴いていない方々にも一時間半楽しんでもらうには、ピアノが一人何役もこなす様子を見ていただいたり、他の楽器の音色も聴いていただいたり、バラエティがあった方が良いなと思ったのも理由の一つでした。
そして、プログラム全体につながりを持たせることも考えました。
例えば、前半のソロの作曲家、ショパンとシューマンは同じ年生まれです。シンフォニックエチュードを作曲したころのシューマンは今の私より少し年上ですが、今回演奏する二曲とも、彼らが20代前半、今の私と同年代の時に作曲に取り掛かった作品です。
後半に演奏するヴィオラソナタを作曲したヒンデミットは、シューマンやショパンの100年ほどあとに生きた作曲家です。この時代には、膨れ上がりすぎたロマン主義の反動として起こった表現主義や新即物主義といった芸術的傾向があり、ヒンデミットOp.11-4は、ロマン派音楽の傾向は残しつつ(例えば一楽章はFantasieというタイトル付き!)、次の時代の匂いも感じさせます。
この曲は、曲の大部分が変奏曲の形式になっており、シューマンの交響的練習曲(前半2曲目)も変奏曲形式のため、二つの作曲家・時代の変奏曲を対比させると面白いなと思い、この曲に決めました。
シューマンの方は、かなり初期の作品とあるだけあって、曲の構成やコンセプト的にはかなり古典的でどっしりした感じなので、よりヒンデミットとの違いが生きるかなと思います。
と、考えていたことはまあこんな感じです!笑
昔はやみくもに勉強した曲を弾いていましたが、最近は、意味を持たせたプログラムを組んだりするのも、演奏家の醍醐味というか、コンサート企画において楽しいポイントかなと感じます。
でも当日は難しいことは横に置いておいて、自分も皆さんもその場を楽しめる演奏会にできたらなと思っています。
それではあと一週間、楽しみながら準備していこうと思います!☺️