マドリード
2022年夏、スペイン・ヒホンに向かう前にマドリードで一泊しました。
「どこか行くときは、"また今度”はないと思って行動した方がいいよ」と教わって育ってきたためか、どこか行くとなったら行けるところには超早足で全て行き、全て食べつくし、200%堪能してそこを去るという旅行の仕方をするようになりました(笑)
そのためマドリード、バルセロナ、どちらとも超短時間ではありましたが駆け足で色々なところを回ってきました。
マドリードでは、まず着いたらホテルに直行。
今回は翌朝バスでヒホンに向かうための短い時間なので、観光に便利な旧市街のOk hostelというホステルに泊まりました。
マドリードもバルセロナも日本のビジネスホテルのようなホテルでも高いです。
ホステルはとっても安いので学生一人旅、且つ、怖くない方はお勧めです。
が、やはり外国、気は抜けないので、ありえないほど、セキュリティはガチゴチにしておく必要があります。
私はこの4年間アメリカのボストンで生活していましたが、ボストンもまだ安全と言われる街、「自分は平和ボケしている」と言い聞かせ、カバンから目を離さない、なんなら手も離さない、そして部屋から出るたび、少し離れるたびに南京錠できっちり施錠するということを徹底しました。
ちなみに、バックパックとショルダーバッグは"pac safe"というブランドの防犯リュックを4年間愛用しています。
・生地はカッターで切れない
・ファスナーは開けにくく、南京錠をかけられる
・クレジットカードのスキミング防止ポケットつき
おかげで何も起こらず✌🏻
ユースホステルでしたが、とてもきれいで、狭い空間が好きな私にはベッドのサイズもちょうどよく、さらにフロントのお姉さんが周りの観光地の地図や回り方なども説明してくれました。また、ロビーには勝手に飲んで良いコーヒーやお水等置いてありました。
いちばん良かったのは朝食で、ビュッフェ形式になっており、好きなものをいくらでも食べてよかったのですが、美味しかった記憶があります。
スパニッシュオムレツなどご当地のものもありました。たぶんおかわりしたと思うのだけど写真撮り忘れ😩
ホテルに荷物を置いたら、すぐさまマドリードの街中へ歩きに行きました。なんてったってこの一泊だけだったので行けるところは行きたかった!それでも美術館などは行けず〜
まずはマヨール広場を通って王宮へ!
大きい広場はヨーロッパならではだなぁと☺️
王宮は、着いたら長蛇の列ができていました。炎天下の中1時間ほど待って入場したと思います。
留学しているといっても、ヨーロッパにはこんな王宮やお城がたくさんありますがアメリカにはありません。真似して作ったようなボストン美術館の建物みたいなものはありますが🤔
そのため、ホンモノの王宮は、2014年にドイツ、ハンガリー、ウィーンを訪れて以来。
きらびやかさや広さ、リアルさが違うなぁと終始感動していました。
その次は、王宮へ向かう際に横目に通り過ぎたサンミゲル市場へ!
私スペインにて、マーケットの魅力に取り憑かれました。こんなにフレッシュなものが大量に並んでいて全部美味しそうなのに全部安い!!!
胃袋のキャパも考えて、市場のなかを3周くらいして厳選したのがこちら。
いちばん右は真昼間からサングリア、真ん中が確かチーズのコロッケ、左はタパス2種で、ひとつは白身魚+マスタードかなにか、もうひとつはトマト系のソース+サーディンだったと思います。最高のお昼ごはんでした🥰
ここで終わりかと思いきや、まだまだ食べます。笑
先ほどやはり歩きながら目をつけておいたジェラートやさんでピスタチオのジェラート。
そして同じく絶対に食べなければと事前調べを入念に行い選んだチュロスやさんへ。
伝統的には、このチュロスをホットチョコレートにダンクして食べるのですが、このあと色んなチュロス屋さんへ行って食べ比べする予定だったので、とりあえずラテにしました。笑
そしておやつで時間を潰したあとは、日没きっかりに合わせてモンターニャ公園とその中にあるデボー聖堂へ歩いていきました。
デボー聖堂は、古代エジプトに紀元前2世紀前半に建設されたものが移転され、ここに建っているのだとか!
人々が公園でのんびりしている姿はアメリカとも同じですが、ボストンやニューヨークより時間がゆっくり流れていて空気も平和で、ああヨーロッパ良いなぁと感じたスペイン1日目でした。
プエルタ・デル・ソル(中心部の有名な広場)はあいにくの工事中でとても写真を撮る感じではなく(笑)
プラド美術館や王立植物園は、王宮とは反対方向で、そちらの方向へは時間がなくて行けませんでした...また次に行ける機会があったらなぁ!
翌朝、スペインのUber的な配車アプリで車を読んでバスターミナルへ。
バスに6時間揺られてヒホンの街へ〜🚌
だいぶ錆びれたバスに冷房ガンガンで寒くて死ぬかと思いましたが、
車窓からの景色はとても新鮮でした。
次はバルセロナ編です!☺️
イスタンブール空港
前回書いたスペインでの音楽祭へのアクセス、
コロナ前はマドリードまで直行便があったのですが、まだ再開されていません。
マドリードに行こうと思うと、トルコ航空かエミレーツ航空かカタール航空で乗り継ぐか、イギリスで乗り継ぐ便が検索すると出てきました。
2022年2月以降、ロシア上空を旅客機が飛べなくなり、南周りでも北周りでも所要時間が同じくらいになってしまい、高いお金を払って北周りで行くメリットもなくなってしまいました。
それならたまにはANAのスーパーフライヤーズ会員の特典も使ってみようと
トルコのイスタンブールを経由してマドリードへ飛び、一泊したあとにバスで6時間(泣)かけてヒホンへ向かうことにしました😌
トルコ航空とイスタンブールの空港があまりにも良くて刺さってしまったのでそれについて書こうと思います。
よく、乗り継ぎ心配じゃないの?とか、知らない国に1人で行くの大丈夫?と聞かれるのですが、私実は乗り継ぎで色々な空港を訪れるのが趣味で(?)、毎回楽しく歩き回っております。安全な範囲で、その国の空気を感じたり料理を食べることができたり、また普段聞こえることのない言語が飛び交うのを聞いたりできるのがその醍醐味です。
今回のトルコも初めての国で、そもそも地中海側に行ったことがなかったのでワクワクでした。
まずはトルコ航空のエコノミークラスの2回の機内食はこんな感じ。
めちゃくちゃ豪華で味もとても美味しかったです。
これまで色々な航空会社の機内食をいただいてきましたが、間違いなくトップのクオリティだと思います。
機内でいただいたアメニティポーチにトルコの模様が入っていて綺麗でした。
インスタンブール空港は2018年開港と新しく、広く明るく華やか。
お土産屋さんにはナザールボンジュウ🧿(目玉のお守り)が置かれているのを見て、祖母の家に飾ってあってなんだろうと不思議に思っていたものがトルコのお土産だったということに、初めて気づきました。
今回はトルコで乗り継ぎ失敗はちょっと怖いなと思い、
5時間ほど時間を取り、トルコ航空のラウンジを堪能🥹🙌
とてもおしゃれで居心地の良いラウンジで、置いてあるお食事もホテルのビュッフェなんだけどトルコ料理特集のような感じ!
こちらが頂いたものの一部なのですが、すごい食い意地。
丸いのがトルコのベーグル、サイドに置いてあるのがトルコの伝統スイーツたち。
さらにここのラウンジの名物が、なんとあのデーメルのケーキビュッフェがあること!!!!!
神様ありがとう!
しっかり全種類一切れずついただきました。
各地でそこならではの食事をお金とお腹が許すかぎり食べ尽くすことが大好きなのですが、
このおかげでスペインに着く前にすでに超満腹状態になりました🫄
世界には美味しいものがたくさん!
そして、今回は時間が合わなくて参加できなかったんですが、
乗り継ぎ6時間以上ある場合、無料のイスタンブール市内観光(ランチ付き)サービスもあります。
次に乗る時には是非参加してみたいと思っています💃🏻
夏の音楽祭
アメリカの音楽学生は、夏の間は音楽祭に参加するのが鉄板です。
ヨーロッパは講習会、セミナーのような形が多いですが、アメリカは8週間、6週間、3週間×2タームとか期間が長めです。
特に、弦楽器の子たちは夏の間、いくつかの音楽祭をハシゴすることが多く、ピアノの子もアメリカ国籍の子たちは特に、毎年行っているかなあと感じます。
アメリカの音楽祭は大体3つのカテゴリー、室内楽系、オーケストラ系、ピアノソロ系に分けることができると思います。
私は、その中でピアノソロの音楽祭に2年連続行ってきたので、その感想とやらを書こうと思います。
私が2022年の夏に行ってきたのは、Gijon International Piano Festivalという音楽祭、以前から行きたかったのですが、コロナで3年ぶりの開催でした。スペインのヒホン(Gijon)という海街で行われるアットホームなピアノフェスティバルです。ファカルティは全員アメリカの学校からで、生徒もほとんどがアメリカの学校で学んでいる子たちなので、スペインで行われるアメリカの音楽祭という感じです。
学びの多さやファカルティのレベルの高さ、またヨーロッパのきれいな街に久しぶりに行くことができて素敵な環境の中で勉強することができたことなどあわせて、星5つの満足度でした。
この音楽祭は、送迎もなし宿泊は自己手配、有名な夏のヴァカンス地ですからホテルの宿泊料金は高額です。主催者が受講者の名簿を共有してくれるので、Airbnbを一緒に借りてくれるルームメイトを探して(全員のメールアドレスに一斉メールを出しました笑)、初対面、国籍も違う女子3人で、3部屋あるアパートを自分たちで借りました。
一緒にグループを組んだ2人とはとても気が合い、長く続くであろう友情ができました。
2022年夏は、カフェテリアがコロナの影響で利用できなかったので、外食もしくは自炊、スーパーで食材を買ってサンドイッチなどを持っていって練習していましたが、夜ご飯を家で食べる日は、ルームメイトにハンバーグを作ってあげたりなどもしました🤩
ヒホンの街は、建物や景色などどこを切り取っても美しく、食べ物は安くて美味しく、とても癒やされる小旅行にもなりました。
たった1つ苦情があるとすれば、練習室が、レッスン室以外はアップライトもしくは電子ピアノなので、グランドピアノ争奪戦でした。
しかし割りと音楽祭はそういうところが多いので、最近では、アップライトピアノしかなくてもきちんと音を聴いて練習できるようになってきたと思います。
グランドピアノとはタッチが少し違っても、耳で自分の求める音に調節していれば、どんなピアノでも練習はできますし、どんなピアノにあたっても大丈夫なのではないかなと思います。もちろんそれに対応できるテクニックは必要になりますが...
レッスンの方は、名前を見れば誰もが知っている大御所の先生ばかりで、私が弾いている曲や弾き方に対してのアドバイスの鋭さに感服してばかりでした。私も50年教えたらこうなることができるのだろうかと思いながらレッスンを受けていました。
期間中には、成績優秀者の選抜演奏会が何回かあります。ある日突然メールで集合時刻の連絡があり、バスに乗せられます。バスに揺られて一時間ほどの街での屋外コンサートで演奏しました。出演者全員、当然MCをしてくれるスタッフさんがいるだろうと気楽にバスに揺られてまた違う海街に着くと、そこに送られたのはまさかの私たち出演者だけで(笑)、皆でGoogle翻訳を駆使してMC、自己紹介を見事なSpenglish (Spanish + English)で行ったのも良い思い出です。
街中でピアノの演奏が聴こえると、老若男女が立ち止まり耳を澄ませる姿に、ああ流石ヨーロッパだなあと感じました。
練習の合間やコンサート終了後、音楽祭終了後に発つまでなどは、地元で有名な海鮮レストランに行ったり、ビールを皆で買って砂浜で飲みながら話したり、アイスクリームやチュロス(スペイン名物!)を毎日のように買いに行ったり、楽しい思い出もたくさんできました💃🏻
音楽祭の前後には一人旅、マドリードに一泊、バルセロナに二泊してスペインの都市も満喫してきました。(その様子はまたの機会に!)
次は、今年参加したテキサスの音楽祭について書こうと思います。
7/27 リサイタル終演いたしました!
7月27日、代官山教会でのリサイタルが無事終演いたしました💐
定員数+6名の満席御礼でした。ご来場いただいた皆さま、ありがとうございました!
自分なりに、どうしたら良い演奏会になるだろうかと色々考えながら企画した演奏会でしたが、演奏者側にとっても楽しく、またお客様側からも「様々な楽器の音色を聴くことができて楽しかったです✨」「熱気がすごかったです」と感想をいただき、とても嬉しく思いました。特に、室内楽の良さを知ってもらいたいという気持ちも込めて、シューマンのピアノカルテットをプログラムに入れたので「カルテットというのを初めて聴いたけれど見ていて楽しかった」という感想をいただきとても嬉しかったです。
日本で師事していた師匠たち🥶も、
「初めプログラムを見た時は、え~ソロだけにしなかったのと思ったんだけど」(私:ですよねえ汗)
「結果的に室内楽入れて正解!バラエティも豊かだったし、演奏が一番生き生きしていたから、すごく良かったわよ」とおっしゃってくださいました。
実は今回の演奏会では、プログラムを組むところから主催者の方との連絡、室内楽のリハーサルのスケジューリング、コンサート後の精算まで、すべての段取りを自分自身が主導して行い、もちろん演奏クオリティは最高のものを!という裏目標を持って準備しておりました。
私自身要領の良い方ではない(激悪)ので、あちらこちらへ連絡し頭がパンク状態になりながら、またビザの更新なども同時並行で行いながらバタバタと一ヶ月間過ごし、なんとかこの目標も達成できたかなと思います。
そうすることによって、一つの演奏会が出来上がるまでにどれだけの人が関わり労力が割かれているのか、演奏家として自立するにはどれだけのことを一人でこなさなければいけないのか、またどこが時間ロスだったか、どこは上手くいったかなど、良い点も悪い点もたくさんの反省や気づきがありました。
裏話: 演奏会チラシが出来上がって初めてプログラムを見た母「!?え、ソロ少なすぎない!?!?😱」
私「🙂」
弾いている間の緊張はやはり免れませんが笑、演奏を通してお客様とコミュニケーションを取ることが好きだなぁと感じる瞬間が何度もありました。
ソロでは、以前の私なら安全第一(責任感から...)、そして心配する必要はないのに練習しすぎなくらい練習してから本番、本番も確実性を重視...としていたところ、
もう心配する必要がないと思う程度になるまでの練習は10日前くらいまでに終わらせ、明るい気持ちであとの日々を過ごし笑、本番のインスピレーションを大事にするという形に、大きく変えてみました。
ヴィオラとのデュオでも多くを学びました。合わせは4日間ほどで集中的に行い、まず弾くより先に、それぞれが曲のセクション毎に持つイメージや作曲家の意図などについてのすり合わせから始めました。とても複雑で一筋縄にはいかない曲だったので、この段階は避けて通れなかったと思います。その後音を合わせていきましたが、デュオなるもの「音がピッタリと合っていること」がいちばん大事なのではなく、「本番いきなり何をやっても、この人はそれに絶対反応してくる」という信頼感がいちばん必要なのだと思います。少しでも「本番で違うように弾いたらついてこないかも」という思いがあるとそれぞれ遠慮しあって演奏し、妥協の音楽になってしまいます。という点を話し合い(ちなみに話し合いも遠慮なくめちゃくちゃ正直に話します)、本番の爆発的なエネルギーを大切にしました。
この経験から、必要なのは「音を何回も合わせる」ことではなく、①曲に対してのコンセプトのすり合わせ②最低限の音のタイミング合わせ③信頼感なのだなと学びました。
もちろんリスクは伴うチャレンジでしたが、結果的に心も大らかなまま当日を迎えられ、演奏も以前よりのびのびしていたのではないかなと思います。
一度しかない人生、ずっと同じ生き方をしていたらもったいないので、色々な方法に挑戦しながら自分にとってのベストを見つけるのが良いのではないかなと!
シューマンのカルテットでは、4年間日本で勉強した組とアメリカで勉強した組とでグループを組み、合わせが始まる前からどんな化学反応が起こるのかとても楽しみにしていました。合わせの際には、日本人の穏やかさと用意周到さ(笑)を新鮮に感じながら、個人的な印象では4人ともとても真っ直ぐな音楽を持っていて、音楽性が作品Op.47によく合っていたのではないかなと思いました。本番ではなんの心配もなく純粋にシューマンの音楽を楽しむことができ、とても爽やかにコンサートを締めくくることができました。
また次、皆さまに演奏を聴いていただけるときまで、真摯に音楽と向き合い精進いたします。
今回出演してくれた大好きな同期たち、頼むとき実は、皆忙しくて簡単にはいかないかなぁと思っていましたが、皆快く「お〜良いよ〜やろう!」と引き受けてくれて、とても助かりました。また、コンサートに向けて仲間がいるというだけでとても心強かったです☺️
ヴィオラの中村さんに関しては、我が家でのホームステイ中、なんとか私を練習室から引きずり出そうと色んな策を練ってくれました(笑)
3人ともありがとう!
また演奏会開催に向けて、マネージメントを1から行いサポートしてくださった島田さま、本当にありがとうございました💐
次はどのような演奏会にしようかなと今から楽しみです...!
7月27日 リサイタルをします
FacebookやTwitterで以前より告知させていただいていましたが、7月27日に代官山教会Church Hallにてリサイタルを行います。
リサイタルまであと一週間を切りましたが、とても有難いことに満席となりました。直前のご案内となってしまうとは思いますが、まだキャンセル待ちはお受けいたします!
ヴィオラの中村さんはアメリカ生まれ・育ちなのですが、このコンサートのために数日前から我が家にホームステイしていて、毎日ヒンデミットのリハーサルを進めています。コンセプトも音楽的にもなかなか一筋縄ではいかない曲なので、音が合う・合わない以前に、お互いの持つ曲/各セクションへの解釈をすり合わせておくことも大事で、「ここはどう考えてる?」と相談しながら少しずつやっています。
もう少しでシューマンの合わせも始まります。日本で勉強中の二人と、アメリカで勉強中の二人で弾いたとき、どんな化学反応が起こるかとても楽しみです。
最後に日本でリサイタルを行ったのは2019年の留学前で、今回4年ぶりのリサイタルになります。学士課程4年を終えて、修士課程入学前に、一度日本の皆様に勉強報告(?笑)の意味合いも込めて聴いていただけたらなと思ったのが始まりでした。
このリサイタルを企画するにあたって、全てソロのプログラムにするという選択肢もあったのですが、アメリカ二年目からずっと室内楽を勉強してきたということを活かせるプログラムにしたかったのと、久しぶりに日本の同級生と弾いたらどんな感じがするんだろうという興味もあり、いちばん最後にシューマンのピアノカルテットを置くことにしました。
さらに、普段クラシックをたくさん聴いていない方々にも一時間半楽しんでもらうには、ピアノが一人何役もこなす様子を見ていただいたり、他の楽器の音色も聴いていただいたり、バラエティがあった方が良いなと思ったのも理由の一つでした。
そして、プログラム全体につながりを持たせることも考えました。
例えば、前半のソロの作曲家、ショパンとシューマンは同じ年生まれです。シンフォニックエチュードを作曲したころのシューマンは今の私より少し年上ですが、今回演奏する二曲とも、彼らが20代前半、今の私と同年代の時に作曲に取り掛かった作品です。
後半に演奏するヴィオラソナタを作曲したヒンデミットは、シューマンやショパンの100年ほどあとに生きた作曲家です。この時代には、膨れ上がりすぎたロマン主義の反動として起こった表現主義や新即物主義といった芸術的傾向があり、ヒンデミットOp.11-4は、ロマン派音楽の傾向は残しつつ(例えば一楽章はFantasieというタイトル付き!)、次の時代の匂いも感じさせます。
この曲は、曲の大部分が変奏曲の形式になっており、シューマンの交響的練習曲(前半2曲目)も変奏曲形式のため、二つの作曲家・時代の変奏曲を対比させると面白いなと思い、この曲に決めました。
シューマンの方は、かなり初期の作品とあるだけあって、曲の構成やコンセプト的にはかなり古典的でどっしりした感じなので、よりヒンデミットとの違いが生きるかなと思います。
と、考えていたことはまあこんな感じです!笑
昔はやみくもに勉強した曲を弾いていましたが、最近は、意味を持たせたプログラムを組んだりするのも、演奏家の醍醐味というか、コンサート企画において楽しいポイントかなと感じます。
でも当日は難しいことは横に置いておいて、自分も皆さんもその場を楽しめる演奏会にできたらなと思っています。
それではあと一週間、楽しみながら準備していこうと思います!☺️
卒業しました👩🏻🎓💐
さて、前回の記事にも書いたとおり、5月にアメリカ・ニューイングランド音楽院をBachelor of Musicを取得し卒業いたしました👩🏻🎓💐
例年の卒業式は、学校内のジョーダンホールにて行われるのですが、今年はコロナの影響で(一年間休学した人が多かった)卒業生が多く、またアメリカではその卒業生が家族や親族を呼ぶのが一般的で出席人数も多かったため、ボストン交響楽団(BSO)のシンフォニーホールで行われました。
日本の卒業式は袴ですが、アメリカの卒業式といえばこのガウンとキャップがかっこいい!!このセットが欲しくて卒業したというと大げさですけど、3割くらいは本心です笑
ちなみに、この角帽からぶら下がっているタッセルは、式までは右側にぶら下げておいて、式中の号令で全員一斉に左側に移動させます。この瞬間、学位を取得することができた実感で少しテンションがあがります。
日本の式典は厳かに執り行われますが、アメリカの卒業式はお祭り騒ぎでにぎやかです。式は、マーチングバンドの演奏とともに入場(歓声や指笛あり)、合間に余興の演奏がありつつ偉い人や有名人、生徒代表が壇上で話したあと、一人ずつ名前を呼ばれて卒業証書授与(歓声、指笛、お囃子あり)という段取りで、やっていることは変わらないのですが、とにかくうるさいのが特徴です笑
終わった後は家族や親戚一同とパーティーやディナーをするのが一般的みたいです。私は3人家族なので規模は小さいですが、両親もこの卒業式のために渡米してきてくれたので、1826年に創業されたボストン最古のレストランUnion Oyster Houseに行ってきました。
お通しのコーンブレッドが美味しいと有名で4年間ずっと食べてみたかったのですが笑、もちろんコーンブレッドも、ホタテと海老のソテーもロブスターもとても美味しかった~🦐
デザートは味がとてもアメリカンだった((((甘🍰
さて、学士課程を卒業したわけですが、、、
あっという間の4年間でした。色々なことが詰まりすぎていて、さらにその色々なことが光速でやってきては過ぎ去っていきました。間違いなく、この23年間の人生の中でいちばん学びも刺激も多く、喜びもつまずきも多かった、最高の4年間だったと思います。
実技では、なんとか「全部やっていることは間違ってないし良いんだけど、なんか良い子ちゃんすぎる」演奏から脱しよう、自分の表現の殻を破ろうと、どうしたらよいものかと研究し続けました。今でも、いやまだできるな、と思うのですが、この4年間で何かが変わったことは確実に目に見え(耳に聴こえ?笑)る気がします。
今の私から4~2年前の自分を振り返ると、殻を破れていないというよりも、人前で何かを表現することに対して恐れがあったのではないかなと感じます。人前で何かを表現するというのは、単に美しいものを見せるだけではなく、自分の弱い部分や傷も見せることになる、振り切って表現するにはそこの覚悟が必要なのではないかなと、考えるようになりました。
また不思議なことに、学校で受けていた授業で得たものが、思わぬ形で演奏に影響しているようにも感じます。よくアメリカの学校と日本の学校での授業形態の違いとして挙げられますが、アメリカの授業は参加型です。言ってしまうと、参加しなければ(というか何か言わなければ)成績が下げられます。つまり、常に疑問を持ち続けることと、何か事象に対して賛成であれ反対であれ、自分の経験や事実や論理に基づいた意見を持っていることが「基本」です。
おそらくわんぱくではありましたが、小さい頃から大切にされ、良い教育を受けさせてもらった私は、先生の言うことに対して疑問を持つ(というか自分の中で疑問を生み出す)習慣がありませんでした。さらに、私たち日本人は、人の話は最後まで、静かに聞きなさい、と教育を受けます(このこと自体は、今でもとても素敵なことだなと思います!✨)。そのため、初めはアメリカでのリベラルアーツの授業は「何か常に物申さなければいけない」ことがストレスでしたが、その場で何でもいいから(笑)思ったことを発信していくことによって、例えば2019年の私が真っ白なキャンバスだったとしたら、そこにどんどん色が置かれていったような感覚がします。
さらに、口に出すというのは本当になにか力があって、自分の思うことを口に出すことによってそれを再認識でき、また人の考えを知ることでさらに自分を知る、その繰り返しでした。
それが、今の私の考え方やアイデンティティの形成につながり、音楽をする上でも、楽譜に対して、今の自分の演奏に対して常に疑問や好奇心を持ち続け、そうすることによって最終的には確固たる意志をもって演奏できるように、少しは(笑)なったのではないかなと思います。
でもまだ、to be continuedです!(^▽^)/
そのほかにもたくさん書きたいことはあるのですが、今後小出しにしていきたいので笑要約して書くと、
例えばひょんなことからジャズ科の友達や、それぞれ違うバックグラウンドを持つ友達が沢山でき、彼らと「それは違うよ」「でもこうじゃん」などと話し合ううちにまた違う価値観や世界の見方を知り、それによって更に自分を知ったり。
ルームメイトと夜遅くまで人生観について語ったり、説教したり。笑
雑談でも、意味のある雑談をすることは本当に大事!
学校のことでなくても、生活面でやらかしたり、水道管やお手洗いや排水溝のつまりを自分でググって直したり(私意外となんでも直せますヨ👍)、先生ともっと仲良くなりたいと悩んだり笑、友達になりたい子に話しかけにいったり、課題のせいで朝5時までリーディングをして8時には起きる生活をしたり、英語でうまく自分を表現できなくて悩んだり(これは大きかった!!)
全ての経験が、いまの私自身を形成していて、私の音楽をつくっています。
それには、
円安に負けそうになりながらもたkkkkっかい学費・生活費を出してくれ、時には叱り、いつも応援し続けてくれた両親と祖父母も含めた家族、
いくら「殻を破れ」「良い学生の演奏を脱しろ」と言ってもなかなか殻からでてこない私を叱咤激励し続け、インスピレーションを与え続けてくれたミスペク(Ms. Paik= Prof. Haesun Paik= 日本語表記だとハエスン・パイクと書かれています)、
常に刺激と驚き、楽しさと喜び、愛に満ちた日々を与えてくれた友達と親友たち🤝🏻🤝🏿、
それといつ何時も、ピアノの前に張り付いて動かないことを忘れず皆を困らせ笑、悩みを悩みとも思わず、痛みを痛いとも感じず、アメニモマケズ風ニモマケズ、自分にはまだできると自分を信じ続けた自分自身の強さ、
全てがなければこの4年間はここまで充実したものになりませんでした。
改めて、感謝です🙏🏻
長くなりましたね。まだ書けます(笑)
でも今回はこの辺にして、細かい学校生活振り返りや出来事などはまた少しずつ書こうと思います!
とりあえず、
卒業おめでとう自分!最高の4年間をありがとうみんな!そして、これからもアメリカでの音楽修行は続きます🤞🏻
so keep yourself stay tuned💛それではまた👋🏻
お久しぶりです🌞
皆さま、お久しぶりです🌞
なんと2年ぶりになってしまいました、よくアカウントが残っていたものです😅
まずは色々かっ飛ばして2023年5月まで早送りさせていただきます。
私、この5月にアメリカ・ニューイングランド音楽院を、Bachelor of Musicを取得し卒業致しました~🎓🎉
併せて、
4年間8学期全てDean's List入り、
Academic Honorsに選出、
π Pi Kappa Lambdaにノミネートしていただきました。
前回の記事、2021年の1月以降、コロナがだいぶ収まったこともあり、怒涛の、大充実の学校生活を送っておりました。
この2年間が光の速度で過ぎ去ったように感じます。
すべての経験に意味があり、確実に、また大きく自分を変えることができたと胸を張って言えます。
また卒業式の投稿で書かせていただきますね!笑
そして、今年9月からは、イェール大学音楽学校の修士課程に進むことにしました。
また修士課程の受験や旅についても書きたいと思っていますが、
第1希望の学校・門下に受け入れていただくことになり、とても光栄です😭
受かったことがゴールではなく、まだ入り口を与えられただけ、
この先2年間の自分自身の行いにかかっていると、身の引き締まる想いです💪🏻
今回は、簡単に、卒業のご報告と今後の進路についてのご報告させていただきました。
空白になってしまっている2年間について、これから少しずつ書いて埋めていこうと思っています!
いよいよ本格的な夏が始まろうとしていますが、皆様お身体に気をつけて健康にお過ごしください☺️
石川美羽